ふと気がつくとある森の中。どうやら記憶が無いらしい。 とりあえず移動してみる事にした。自分が何者かもわからないままに・・・。
そこで一羽の美しい白鳥に出会った。あなたは尋ねる。
「ねぇ、白鳥さん。僕は一体何者なんだい?どうやら記憶が無いらしい。」
白鳥は答える。
「あはは。あなたは何を言っているの?あなたには立派で大きな翼があるじゃない。大空を飛び回れる立派な証拠よ。さぁ、私の様に飛んでみなさいよ。きっと飛べるから。」
あなたは飛んでみようと頑張ってみる。しかし、思うように翼は動いてくれない。
そこであなたの頭には一つの答えが出てくる。
(あぁ。僕は鳥だと思っていたけど、きっと違うんだ。)
気を落としながら、また森の中を歩き出す。 しばらくすると、とても勇猛そうな熊と出会う。
「やぁ。熊さん。僕は一体何者なんだい?どうやら記憶が無いらしい。」
熊は答える。
「あはは。いったい君は何を言っているんだい?君には、立派な爪とその身体があるじゃないか。それは勇気ある戦士の証拠だよ。肩を落としているのは似合わない。顔を上げるんだ。」
あなたは狩りをしてみる。自分よりも小さい動物を捕えてみた。
しかし、その動物が苦しんでるのを見て心が痛む。
(あぁ。僕はきっとこんな事をしなくても生きていけるはずだ。大きな声で吠えなくても、強がって見せる必要も無い。)
あなたはまた、森の中を歩き出す。
今度は美しい声で鳴く、一羽の鳥と出会った。
「ねぇ。何をしてるんだい?そんなに綺麗な声で歌を歌ってさ。どんな意味があるんだい。僕には記憶が無くてどうしたら良いのかさっぱりなんだ。」
「あら?どうした事でしょう・・・。
私には美しい翼も無いし、大きな爪や身体も無いわ。でも、こうして歌う事で他の人に元気ややすらぎを与える事ができるの。たしかに、周りには危険も一杯。でも、それは私だけではないでしょう?少しでも周りに元気を与えれたら私は嬉しいわ。私が生きていられるのもこの森があるからですもの。感謝しなきゃいけないわ。」
あなたには沢山の情報がそろった。それと同時にいきなりの頭痛が襲った。
とてもじゃないがどの情報が正しいかなんてわからない・・・。
(自分は何者なんだろうか?)
(少しゆっくり考えてみよう。)
ふと、顔を上げ目線を先にしてみると、そこには綺麗な湖が見えた。
あなたはそこへ行く事にした。水を飲んでからゆっくり考えてみる事にした。
湖を覗きこむとそこに映っているモノに驚いた。そこに映っていたのは・・・
記憶の断片にある、この森の主の姿にそっくりだったからだ。
彼は、この森を作った人間だった。
不毛の地に植物を植え。水が必要だと感じ、川から水を引いて湖を作った。
心が安らぐようにと花を植え。そこには鳥や虫達が集まった。
今度はその鳥達を狙う動物達が集まり、また、その動物を狙う動物も集まった。
あちこちで争い事が起きた。彼はとても残念だった。
他の場所とは違う、自分達の居場所を作りたかったからだ。
そこで立ち上がりルールを作った。 それはたった一つのルール。
「私達は共に支えあう関係だ。それを壊してはいけない。協力して生きて行くんだ。」
この言葉は、あなたが記憶を失ってもなぜか忘れられない言葉だった。
あなたはまた、湖を覗き込む。
今度は大丈夫。ちゃんと思い出した。
文明が発達し、どこにでも行けるようになり、強力な武器も手にする事ができるようになった。
インターネットも同様だ。
でも、根っ子にある部分は昔から変わらない。
あなたは何者だろうか?
きちんと湖を覗き込んで見えているだろうか?
それとも、「誰かがそう言ったから。」そんな風に思っているだろうか?
あなたはどんな森を創り上げるんだろう?
一度考えてみるのもきっと楽しいはず。
私はそれを見るのが楽しみだ。
追伸
今回は物語にしてみました。感想頂けたらうれしく思います。

自分というのは「他者からの認識の集合体」。
会話による分析エスノメソドロジーという学問もあるんだなと気付かせていただきました。
コメントありがとうございます。
自分も含め物事は色々な視点で見えるという事だと思います。それを普段から意識出来ているのか?私自身も日々考える毎日です。何かのきっかけになったのであれば幸いです。